人気ブログランキング | 話題のタグを見る

イブ。することないので映画でも。

クリスマスイブ。昨日買ったku:nelを読みふける。
いいですわ、この雑誌。多少、少女趣味がすぎるときもあるけど、そのヘンで「普通に」生きてる人たちの生き様をちゃんと取材して、酸いも甘いも物語にしていて。こういう風に、きちんと生活している人たちがいて、社会が成り立ってるんだな、と思うと、ただそれだけでありがたく、幸せに思える。肩書きとかお金よりも、個人の哲学と生き様のようなものの方が生きるうえで大事だと、きれいごとでなく感じられる。

世界に名だたるハーバード大学の教授でありながら、なんとなく、不安定な感じの人たちを見てしまった後だと、いっそうそう思う。最初から、揺るがない人は、常識人であるがゆえに、知識人としての素質に欠ける。だが、知識人であっても、ある地点で、なにかを「見切る」ことによって、揺らぐ自分に決別する必要もあると思う。そうしないのは、ある種の「逃げ」なんではないかと。(←えらそーやね)

朝ご飯はアボカドのわさび醤油ご飯、お昼は以前つくったトムカーガイを解凍したもの。どちらも単純だけどうまい。

お昼過ぎ、せっかくだから街に出てみよう、ということでハーバード前のToscanini’sで絶品アイスとコーヒーを飲みながら、何かイベントはないかとGazette(学内情報誌)に目を通す。

ほとんど何もない。ミサだけ。

ふたりともクリスチャンではないけれどなんとなくミサには出たことがあるので、特にそれ自体には出たいとは思わず。とりあえず映画がたくさん上映されているので、ボストン・コモンの方まで出向く。映画の宣伝はどれも“BEST!”と書いてあって信用ならんけど、ひとつ、有名な俳優がでていないにも関わらず、かなり評判がよいと見られる映画があったのでそれにしてみる。

“Sideways”— 人生のまんなかにさしかかった男二人の自分探し。

などというマジメな説明ではちょっと誤解を生みそうですが、笑えます。オトナの映画です。セリフも演技もカメラワークも小道具使いもすごくいい感じだった。おすすめ。

24日の金曜なのに、マチネなので半額(7ドル)だったのでトクした気分。
なのに夫がなにを思ったか、映画館内の自動販売機でコーラを買おうとしたら3.5ドルもして愕然。

5時にはお腹が空いたのでチャイナタウンへ。どれがいいか分からなかったのだが、またしてもBest of Boston 2004に選ばれた店があったのでそこへ。Peach Farmというお店。きのこのカニソース炒めが出てきたときは、あまり感心しなかった。でも、牡蠣の黒豆ソース蒸しが出てきたときにはあごが外れた。

身が厚くてぷりっぷりの牡蠣を、殻がついたまま蒸してあるのである。

これが6つで10ドル前後。日本だったら一個で800-1000円するような牡蠣が。
「中国人はえらい」「やはり5000年の歴史はすごい」「日本は4000年遅れている」などとうめきながらむさぼり食うクリスマスディナー。ああ、美味しかった。

ちなみに街全体、人通りが少なかった。お店もほとんどが早く閉店。
しかも翌日はまったく営業しないお店が多数。日本の元旦どころではない休みっぷりです。

夜は、ハーバードが舞台で学生が主人公の“Love Story”(『ある愛の詩』)を見る。なぜこの映画かというと、近所のコインランドリーに、「ここは映画Love Storyに出ました!」と書いてあったので観てみたかった、というすごくくだらない理由による。悲恋ものの典型で、つっこみどころ満載ですが、なかなかセリフがよくて楽しめました。悪夢のような雪を利用したシーンも見どころ。
by chinaloca | 2004-12-24 09:40