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ひたすら

字幕を直す。
先週はとりあえず全部に字幕をつけたものの
見づらいのが難点だった。
これを解消する方法をやっと見つける。
「さぶとん」と呼ばれるものをクリックして、
白い字の背景に色をつければよいのである。
映像がつぶれてしまう、と思ったら
透明度を上げればいい。
というのを探し当ててご機嫌になって
ひたすら直す。
いっぺんに全部直せればいいんだが
できない・・・っていうか、やり方を知らない。

ときどき研究室にいって、指導教官やら
博論執筆者などとどうでもいい雑談をする。
何かとほめてもらいたがる教官に、
「もう10年も経つので疲れました」と軽口を叩く。
いつの間にか、もう10年以上、知った人が
いる場所にいる。
別の日、相方に、最近はもう友達と会うことが少ない、
というと、みんな忙しい時期なんだし、僕は会うことすら
できないよ、と言われてハッとする。
そう、メールやスカイプはできても、
誰とも偶然、すれ違うことはできないのだ。
35年以上いて、もう疲れた、という場所から
突然、誰ひとり知らなかった場所にいる。
そんな経験を理解できる人は周りにいない。
たとえ同じ言葉を話しても、通じない。

という、人たちのドキュメンタリーをつくっている。
私は多分、その重みを本当には分かっていない。
研究者への「仕分け」で職を失う危険が
以前にも増し、この先、どうしようもなくなって
チリの辺境にでも移民でもすることになったら、と想像はするが
まだ何とかなるのではと思っている。
でも本当にそうなのかどうか、根拠は何もないのだ。
by chinaloca | 2009-12-04 22:55 | 仕事